せとかが韓国では「天恵香(チョネヘヒャン)」?韓国流プレミアム柑橘の楽しみ方

箱を開けた瞬間、部屋中に香りが広がる。それが天恵香(천혜향)の第一印象だ。

旧正月のころ、真冬の韓国のスーパーには、普通のみかんより一回り大きな柑橘類が並び始める。その中でもひときわ香りが際立つものがある。それが天恵香だ。名前の意味はそのまま「天が恵んだ香り」。名前負けしない香りは、手に取った瞬間からすでに始まっている。

日本ではおなじみのせとかが、韓国では「天恵香」という名前で流通している。2000年代半ばから韓国のスーパーに登場し、今では冬の定番フルーツとしてすっかり定着した。原産地である日本とは少し異なる形で、韓国ならではの楽しみ方が生まれているのが面白いところだ。

「天恵香」と書かれたギフトボックスに並ぶ済州島産のせとか。オレンジ色の包み紙に丁寧に包まれている

天恵香は高級感のあるギフトボックスに入って販売されるのが一般的だ。3kg入り一箱が約3万ウォン(約3,300円)ほどで、11個前後が入っている。1個あたり約2,800ウォン、約300円という計算になる。普通のみかんと比べると割高だが、贈り物としても頻繁に使われるほど、見た目と品質でその価格に納得感がある。

新鮮な天恵香(せとか)の接写。なめらかなオレンジ色の皮と小さな緑のへたが特徴的

天恵香といえば済州島(제주도)のイメージが強い。温暖な気候が栽培に適していたためだが、近年は気候変動の影響で韓国南部の沿岸地域でも生産されるようになってきた。皮が薄く寒さに弱いため栽培技術が求められる品種で、日本と韓国以外ではなかなか見かけないのもそのためだろう。

皮をむいた天恵香。薄いオレンジ色の皮の周りに果汁たっぷりの果肉が現れている

皮は薄いがしっかりと張りがあるので、むくときは少し丁寧に扱う必要がある。皮をむいた瞬間、箱を開けたときとは比べものにならないほど強い香りがふわっと広がる。個人的には、味よりもこの香りの方が好きなくらいだ。果汁たっぷりで甘みが強く、酸味が控えめなので、幅広い年代で楽しめる。

購入後はすぐに冷蔵庫に入れなくて大丈夫。常温で1〜2週間ほど追熟させると甘みがさらに増してくる。毎日1個ずつ食べながら、少しずつ変わっていく味を楽しむのも天恵香ならではの醍醐味だ。

2月が最も価格と味のバランスがいい時期だ。2月に韓国旅行を予定しているなら、スーパーで見かけた際にはぜひ手に取ってみてほしい。箱を開けたときの香りだけでも、十分に体験する価値がある。

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